飲食店の接客マニュアルに盛り込むべき6つの内容
- 【このコラムでわかること】
- 接客マニュアルが必要な理由
- 接客マニュアルに盛り込むべき6つの内容
- 接客マニュアルの作成フロー
- 接客マニュアル作成時に押さえておきたい6つのポイント
- お客様が不快に感じる接客のNG例
接客マニュアルの作成は、来店してくださるお客様のみならず、一緒に働いてくれるスタッフにもメリットをもたらします。
しかし、初めてマニュアルを作成する際は「どんな内容を書くべきか」「作成するにしても何から手をつけたらよいのか」などわからないことも多いですよね。
そこで本記事では、接客マニュアルに記載する内容や、作成フローなどを解説します。
実用的で見やすいマニュアルを作りたい方は、ぜひご一読ください。
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接客マニュアルが必要な理由
作成方法に触れる前に、まずはなぜ飲食店で接客マニュアルを作る必要があるのかを解説します。
必要性を理解すれば、マニュアル作成の目的がはっきりして書きやすくなるので、参考にしてみてください。
理由①接客の質は店の評価に大きな影響を与えるため
せっかくおいしい料理を出すレストランに行ったとしても、スタッフの接客態度が悪いと「また行きたい」とは思えませんよね。
お客様に愛される店舗にするためには、商品だけではなく接客の質も重要です。
接客への好感度が高ければ、居心地のよい場所として繰り返し通ってもらえるほか、スタッフとのコミュニケーションを目的に来店してもらえることもあります。
また、デリバリーサービスが普及しているなかで、わざわざ店舗に足を運んでもらう理由としても接客の価値は侮れません。
接客力を上げる方法としては、コミュニケーション能力の高い人材を集めることが挙げられます。
しかし、個人の資質に頼っていては継続的な接客力アップは困難です。
個人の経験やスキルを接客マニュアルに蓄積して、誰でも質の高い接客方法を学べる環境を作りましょう。
理由②サービスの質を一定に保つため
スタッフによって対応が変わると、お客様の混乱やクレームにつながります。
たとえば「前回は無料でつけてもらえたトッピングを、今回も頼んだところ有料だと言われた」といったケースは、お客様の大きな不満を生みます。
しかし、スタッフ間の口頭の教育だけでは、すべてのスタッフに同じ対応を周知することは難しいでしょう。
特に多店舗展開を行っている飲食店は、店舗による対応の違いも発生しやすいので、接客マニュアルを作成してルールを明確に定めておく必要があります。
対応のルールが定まっていると、スタッフにとってもお客様にとっても心地のよいお店にすることができます。
下記の記事では、客単価を上げる方法について解説していますので、あわせてご覧ください。
▶参考記事:客単価を上げる方法12選!【店舗経営者必見】
理由③業務を効率化させるため
飲食店は、アルバイトやパートとして働くスタッフが多い点が特徴です。
スタッフの入れ替わりが激しく、新人教育の機会も多く訪れます。
そうした際に、接客時のマナーやルールを記載したマニュアルがあれば、既存スタッフが一から教える手間を省けます。
教育に割いていた時間をほかの仕事にあてられるため、業務の効率化にも役立つでしょう。
また、緊急時の避難や体調不良のお客様への対応など、イレギュラーな事態に関するルールも記載しておけば、経験の浅いスタッフだけでも適切な対処ができるようになります。
接客マニュアルに盛り込むべき6つの内容
「接客マニュアルの必要性はわかったけれど、何を書くのか具体的にはわからない」という方もいらっしゃるでしょう。
ここからは、接客マニュアルに記載しておくとよい6つの内容を紹介します。
内容①接客時の心構え
ただ基本的なホールの仕事をこなすのではなく、コミュニケーションをとおしてお客様を喜ばせることが接客の真価です。
接客時の本来の目的を達成するためには、どのような心構えが必要になるのかを考えて、接客マニュアルに反映させましょう。
具体的な例は、次のとおりです。
接客時の心構えの例
- 大きな声で挨拶する
- 笑顔で対応する
- お客様に呼ばれた際はすぐに返答する
このように、お客様に接するときに意識する基本的な事項を書いておくと、スタッフの接客に対する意識を向上させられます。
内容②基本の業務フロー
お客様の来店から退店までの業務の流れを記載します。
接客が初めてのスタッフであっても、マニュアルを読んで一連の業務を頭に入れておけば、次に何をすべきか迷わずに対応できるでしょう。
文章だけでは伝わりづらい業務に関しては、図や写真を入れて説明するとわかりやすくなります。
内容③服装・身だしなみ
スタッフが制服を着崩したり、前髪で顔を隠したりすると、お客様の心証を悪くしてしまいます。
接客業、特に飲食店のスタッフには、清潔感のある服装や身だしなみは欠かせません。
接客マニュアルにも、制服の着こなしや髪型の規定を示しておきましょう。
制服の着こなしのチェックリストを作成して、フロアに出る前にスタッフ同士で確認し合うようにルールを定めるのもおすすめです。
内容④言葉づかい
接客時に緊張して、誤った敬語でお客様に対応してしまった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
挨拶やサービス説明の定型文などを接客マニュアルに記載しておくと、スタッフが言葉づかいに迷う場面を減らせます。
来店時の「いらっしゃいませ」や退店時の「ありがとうございました。またお越しくださいませ」など、業務フローに沿って文言の例を挙げておくと親切です。
内容⑤商品・サービスの知識
お客様に商品・サービスに関して質問された際に、はっきりと答えられないと不信感を与えてしまいます。
接客マニュアルには、商品・サービスの基礎知識やよく聞かれる質問を載せて、スタッフがあらかじめ勉強できるようにしておきましょう。
また、答えがわからない場合は誰に聞いたらよいのかも記載すれば、マニュアルに載っていない情報を尋ねられたときも対処できます。
内容⑥クレーム対応
クレーム対応を誤ると大きなトラブルにつながる可能性もあるので、正しい対処法を周知することが大切です。
よくあるトラブル例や過去の対応事例を接客マニュアルに載せて、クレーム発生時にすぐに参照できるようにしましょう。
クレーム処理後の上司への報告方法もあわせて記載すれば、対応のノウハウを蓄積する仕組み作りにも活かせます。
下記の記事では、リピーターを増やすための対策方法を紹介していますので、あわせてご覧ください。
▶参考記事:飲食店のリピーターを増やすために試したい対策8選
接客マニュアルの作成フロー
ここからは、接客マニュアル作成時の流れを解説します。
手順①店舗のルールを整理する
まずは、店舗で決められているルールを整理することから始めます。
スタッフによってルールの認識が違う場合は、すり合わせして明確なルールとして統一します。
これを機会に、暗黙の了解になっていた決まりごとも明文化するとよいでしょう。
手順②1日の業務を書き出す
次に、店舗で行う1日分の業務を書き出します。
この作業は業務フローの作成に必要であるほか、前の項目で整理したルールに記載漏れがないかどうかの確認にもつながります。
手順③情報を整理する
最後に、これまで書き出してきたルールの情報を整理します。
接客マニュアルは、あまりに情報量が多いと、欲しい情報が見つけづらくなったり、そもそも読む気が起きなくなったりします。
読みやすいマニュアルを作るためには、必要な情報を絞り込んで簡潔な内容にまとめることが重要です。
接客マニュアル作成時に押さえておきたい6つのポイント
上記でマニュアル作成の流れを説明してきましたが、以下では作成時に押さえておきたい6つのポイントを解説します。
より充実した接客マニュアルを作るために、意識してみてください。
ポイント①業務の評価基準を明確にする
どの業務を、どのくらいの頻度・水準で行えばよいのか、接客マニュアル内できちんと説明しておく必要があります。
たとえば、マニュアルに「お客様の水がなくなっていないか確認する」という項目だけを記載しても、何をもって確認が完了したと判断すればよいのか曖昧です。
「すべてのお客様にお声がけすれば合格とする」など、業務を完了したといえる基準を明文化するとスタッフも迷いません。
また、その基準を満たしているかどうかでスタッフの接客を評価すると、人事評価の根拠が明快になります。
評価に対する納得度も上がるうえ、高評価のスタッフと比べて自分に何が足りないのかすぐにわかるので、スタッフが自主的に改善点を見つけられます。
ポイント②誰でも再現しやすいルールにする
接客マニュアルは、店舗で働くすべてのスタッフが利用するものです。
したがって、コミュニケーション能力に特別に長けたスタッフだけができるサービスの仕方をマニュアルに組み込んでも、ほかのスタッフには真似できません。
接客マニュアルに記入するのは、あくまでもスタッフ全員が実践できる内容にするべきです。
接客のテクニックよりも、基本的なルールや最低限のマナーなどを中心に記載しましょう。
ポイント③お客様目線で考える
接客マニュアルを作る目的は、お客様に喜んでもらえるサービスを提供することです。
そのため、どのような接客を受けられたらうれしいか、お客様目線で考えることが大切です。
マニュアルを使用するのはスタッフですが、スタッフ目線で手間がかかるからといって、サービスの質を落とすようなことがないよう注意しましょう。
ポイント④マニュアルの内容を定期的にアップデートする
業務内容の変更や接客ノウハウの追加にともなって、接客ルールは変化していきます。
従来のルールが必要なくなった場合や、新たなルールが必要になった場合は、記載内容をアップデートするのが、よいマニュアルを作るポイントです。
もし、マニュアルの内容が古いままだったり、新ルールが反映されていなかったりすると、見ても意味がないものだと判断されて活用されなくなってしまいます。
定期的にマニュアルを見直す時間を設け、最新の状態に更新するよう意識してみてください。
ポイント⑤スタッフの自主性を促せる余地を残す
誰でも一定のレベルの接客ができるように作成するのが接客マニュアルですが、すべてをルールで縛ってしまうと、スタッフの自主性を奪う結果になります。
スタッフがお客様にとって最善の対応を自ら考え、実践していける余地を残しながらマニュアルを作りましょう。
たとえば、接客時の文言を完全に固定せず「お客様に合わせて臨機応変に言い回しを変更してもよい」と記載しておくと、オリジナリティを出す余地を残せます。
ポイント⑥動画を活用する
文章で説明が難しい接客の様子は、動画を活用すると簡単にイメージを伝えられます。
接客のロールプレイングを撮影し、動画サイトにアップしている企業も少なくありません。
プライバシー設定を限定公開にすれば、URLを共有したスタッフだけに視聴してもらえます。
動画であれば、視覚と聴覚両方の情報が頭に入ってくるので、文章で読むよりも記憶に残りやすく、学習の効率化につながります。
お客様が不快に感じる接客のNG例
よい接客を実現するには、悪い接客の例も知らなければなりません。
以下で、お客様が不快に感じる接客の主な例を紹介します。
接客のNG例
- スタッフ同士で私語を交わす
- お客様の要望に対して「できません」と回答する
- なれなれしい態度で接する
スタッフ間の私語に夢中になっていると、お客様のお声に気がつけません。
お客様よりも、自分たちのことを優先しているという印象を与え、不快な思いをさせてしまいます。
「できません」と否定する言葉も接客にはNGです。
仮にお客様の要望を叶えられなくても、代替案を探したり、解決しようと行動したりする様子が、誠意として伝わります。
また、友達口調での接客やプライベートに踏み入った質問などは、親しみやすい一方で、なれなれしいと感じられることもあります。
初対面のお客様には適切な距離感を保って接しましょう。
接客時間を短くしてマニュアルを簡略化することも考えよう
いかがでしたでしょうか。
接客マニュアルに盛り込む内容としては、接客時の心構えや基本の業務フロー、服装・みだしなみなどが挙げられます。
また、言葉づかいや商品・サービスの知識、クレーム対応も記載しておけば、予期せぬお客様対応にも冷静な対処が可能です。
接客マニュアルの作成は飲食店にとって必須ですが、日々の業務に追われ、作成を後回しにしている方も多いのではないでしょうか。
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